宅地より農地が安い。
でも農地は普通の人は買えない。
おおざっぱに言うと、農家しか買えないのだ。
どうしたら農家になれるのか?
何も知らないぬまんちは考えた。ネットでも調べてみた。
でもいまいち、わからない。
私が思うに、田舎ではネットの情報よりも、新聞・フリーペーパー、そして人がもつ情報のほうが、量も質もはるかに上回る。
畑付きの一軒家でこじんまりと野菜作れたらいいのにな。
そんな農家ってないのかな?
そう思っているころ、市報で「新規就農説明会」という記事を見つけた。
よし、聞いてみよう。そう思い、担当者に電話をかけた。
「新規就農についてはまったく判らないので、どんなものなのかを知りたいのですが、それでも(説明会に行って)いいでしょうか?」
かまいませんよ、というお返事をいただいたので、後日指定された時間に出かけていった。
部屋には3人(だったと思う)いた。1対3の面接みたいなかんじだ。
「numaxさんは何(作物)をやりたいの?」
第1声がコレだった。
「だから言ったでしょー、新規就農について聞きにきたんです」と、ココロの中で叫ぶ。
とりあえず、しどろもどろで答える。
私がそんなかんじだから、相手も「うーん、この人は…」と思ったのだろう。
面積は最低2町、農業だけで生計を立てていただきたい。
そうなると、トマトなどの施設野菜が入りやすいだろう。
女性が1人でやるのは大変なので、夫婦2人でないとできない。
うーん
私はトマトは考えていなかった。
なぜならトマトを作っている農家さんがたくさんいるのを知っていたからだ。
それもこだわりをもって作っている農家さんが相当いる。
野菜をやるならあまり他のひとが作っていないような野菜を作ってみたかった。
お米は論外。
田植え機、コンバイン、乾燥機、納屋etc…数千万かかる。
そんなお金はない。
「numaxさんは農的生活のほうがあっているかもしれませんね」
そう言われて帰ってきた。
農業という職業には簡単に就けない。そう甘くはないのだ。
とてつもなく敷居は高かった。
でもそれだからこそ、農地も、農業も守られている。
おいしい作物が作られているのだ。
そう思うことにした。
ぬまんちに「農家」という選択肢は、なくなった。